Musikfreunde"燦"

Musikfreunde"燦"の公式ブログへようこそ。

第1ステージ モーツァルト/交響曲 ニ長調 K.v.320

演奏曲のご紹介として、プログラムの楽曲解説から、一部を抜粋して公開いたします。
管弦楽の演奏による第1ステージは、冒頭部分からの抜粋です。

 交響曲K.v.320というよりも、セレナーデ第9番、通称「ポストホルン・セレナーデ」から3曲抜粋して交響曲と名付けられた作品、と言った方が馴染み深い人は多いでしょう。

 完成は1779年8月3日、ザルツブルクですが、この時期のモーツァルトは心穏やかではありません。半年前まで就職活動のためにマンハイム・パリを1年半ほど旅行しており、その旅先で、母の死と失恋という悲しみに見舞われてしまいます。また、就職活動も上手くいかず、父レオポルトからの説得も影響して、大嫌いな故郷ザルツブルクに仕方なく帰郷します。しかし、さまざまな不満、大司教に対するもの、音楽環境に対するものなど、は日増しに積もる一方でした。

 順風満帆とは言えないものの、この最後のザルツブルクでの宮仕え生活では、マンハイム・パリで吸収した音楽を上手く取り入れた名曲が多いという特徴があります。「ポストホルン・セレナーデ」も例外ではありません

いかがでしょう。
若い頃のモーツァルトの作品は管楽器の編成が小さく、今回の2曲はフルートとクラリネットを欠くため、大人数のオーケストラでは選曲されないカップリングなのです。
そんな曲を生で聴くことのできる貴重な機会かもしれませんね。

※記事初出時、タイトルの曲名に誤りがございました。正しくは「交響曲 ニ長調 K.v.320」となります。お詫びして訂正させていただきます。