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第2ステージ 武満 徹/混声合唱のための「うた」より

無伴奏混声合唱のステージは、楽曲解説の最後からの抜粋です。
そこに武満の音楽観が凝縮されているように思います。

 「私は、音楽を通して人間の生き方というものを考える立場にある芸術家の一人ですから、ただ慰めや娯楽のためだけに音楽をしているのではなく、常に人間存在について考えています。」という言葉通り、武満はどんな仕事にも真剣勝負で臨みました。緻密にアレンジされた合唱から聴こえる独特のハーモニーは「武満トーン」とも呼ばれ、郷愁を想起させる虹色がかった美しい響きです。譜面には演奏上の細かい指示が数多く記され、言葉を大切にした武満は、言葉への配慮も怠りませんでした。私達演奏者にとって、武満が音や言葉に込めた思いを譜面からいかに読み取って表現するかが鍵となります。そんなことも心に留めて、歌に耳を澄ませてください。