Musikfreunde"燦"

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第3回演奏会御礼

2023年5月20日(土) 、Musikfreunde 燦 第3回演奏会は、鳴りやまない拍手の中、終演を迎えることができました。
会場にお越しいただいた皆さま、私たちの活動を支えてくださった全ての皆さま。
ここに改めて、御礼申し上げます。

思えばコロナ過で、思うような練習ができないこともありました。
一つ一つの音・言葉と向き合うのに最後まで苦労もしました。
でも、そうした困難を乗り越えられたからこそ、初めて、オーケストラも合唱も、そしてソリストの方々も一体となった音楽を織り上げることができたように思います。

Musikfreunde 燦 は、音楽に例えれば、終わりのない未完の交響曲です。
私たちは第4楽章にむけて、また、新たな1歩を踏み出しました。
今後とも、皆さまのご指導・ご支援をいただければ幸いです。

演奏会アンケートご協力のお願い

ご来場いただきました皆さまにお願いです。
プログラムに挟み込みましたアンケート用紙に、インターネットからもアンケートのご回答をいただける2次元バーコードをお付けしております。

今回の反省と次回演奏会の参考にさせていただきますので、5月28日(日)までに忌憚のないご意見ご感想をお聞かせくださいますよう、ご協力をお願いいたします。

コンサートマスター紹介

コンサートマスターとは、第1ヴァイオリンの主席奏者が担うオーケストラを統率する役職です。本日はコンサートマスター(以下コンマス)である中山宜大さんを、ビオラ奏者の居倉あかねさんがご紹介いたします。


 コンマスを務めてくれている中山くんは私の同期でありますが、彼のレトロな雰囲気からか、同期の間では「のりひろさん」と呼ばれています。 
 演奏会冒頭のチューニングはコンマス任務の中でも緊張する場面だと思いますが、のりひろさんのチューニングはとても正確で、耳にチューナーが内蔵されているのではと疑っています。きっと幼少期からヴァイオリンを極めてきた努力の賜物ですね。
 幼少期からのアドバンテージがあるにもかかわらず、今もなお個人練習を怠らず技術を磨き続けているところもすごいところだと感じます。 こんな風に書くと休日もヴァイオリンばかり弾いているヴァイオリン狂のように見えますが、ボルダリングが趣味という意外な一面もあります。
 数年前は「ボルダリングをした翌日はヴァイオリンが弾けない」と言っていましたが、先日の練習時には「昨日ボルダリングに行った」と言いつつ美しい音色を奏でていました。この数年でかなり鍛えたんですね。
 演奏会まであと1週間、万全の体調で本番に挑めるよう、ケガや流行病などに気を付けてお過ごしください。のりひろさんもボルダリングはほどほどに…(笑)


中山さんからのアンサーですが、「オケも合唱も共通しているのは、股関節の柔軟性だと思います。演奏会まで後わずかですが、動的ストレッチを軽く取り入れてみるのも良いかもしれません。」とのことでした。
ステージで体が固くなっては良いパフォーマンスは発揮できません。ナイスアドバイスです。

演奏会プログラムと歌詞カード


第3回演奏会のプログラムが完成しました。
第1回、第2回と受け継がれてきたプログラムの表紙デザインを伝統として踏襲しながら、今回は明るい色に変えてみました。演奏会チラシのベースに使われた素敵なデザインを、デザイナーさんがプログラムにも使ってくださいました。
演奏曲の解説は抜粋でご紹介しましたが、楽章や曲ごとの詳細解説は執筆陣が曲や時代背景などいろいろ調べ上げて書いておりますので、開演前や休憩の間、お帰りの際の振り返りにもお読みいただけたらと思っております。

プログラムに挟み込まれた歌詞カードもちょっとこだわりました。
戴冠式ミサ」は合唱の団内指揮者である車さんが、団員が楽曲への理解を深めるための練習資料づくりで得られた知識をもとに、ラテン語の語順を極力変えずに作られた日本語訳です。ミサ曲の中で大切に歌われる言葉を、ラテン語の意味と対比しながら読めるように工夫されています。
 武満徹の「うた」は例えば二曲目に演奏される「見えないこども」の詩に見られる“配語を揃えていない”ところに、谷川俊太郎さんの詩に込められた想いが感じられるかもしれません。ご来場の皆さまにも武満徹さんが大切にされた詩に触れてから、あとは「武満トーン」に身を任せてじっくりお聴きいただきたい曲です。

ぜひ会場に足をお運びください。

第3回演奏会の1週間前になりました

本日は、ゲネプロ(通し稽古)でした。
会場は奇しくも小松川さくらホール

2021年12月、コロナ禍でも音楽の灯火を消してはならないと「Musizieren(音楽をする)!」の名のもとに有志で集まり、バッハのカンタータの中のコラールを演奏した会場です。

第3回演奏会の実現に向けた第一歩はあの時に踏み出され、そして今、本番まであと一歩のところまで来ました。

Musikfreunde燦の音楽総監督 川合良一氏から各団体で薫陶を受けた(今も受けている)メンバーと、今回縁あって集まったメンバー、ソリストの先生方、オルガンで客演をいただく中野ひかり先生。

多くの方にお力添えをいただきながら、Musikfreunde(音楽をする仲間)が集って奏でるひと時の音楽をぜひ聴きにお越しください。

ご多用中とは思いますが、5月20日(土)武蔵野市民文化会館大ホールにぜひ足をお運びくださいますようお願いいたします。

 

第1ステージ モーツァルト/交響曲 ニ長調 K.v.320

演奏曲のご紹介として、プログラムの楽曲解説から、一部を抜粋して公開いたします。
管弦楽の演奏による第1ステージは、冒頭部分からの抜粋です。

 交響曲K.v.320というよりも、セレナーデ第9番、通称「ポストホルン・セレナーデ」から3曲抜粋して交響曲と名付けられた作品、と言った方が馴染み深い人は多いでしょう。

 完成は1779年8月3日、ザルツブルクですが、この時期のモーツァルトは心穏やかではありません。半年前まで就職活動のためにマンハイム・パリを1年半ほど旅行しており、その旅先で、母の死と失恋という悲しみに見舞われてしまいます。また、就職活動も上手くいかず、父レオポルトからの説得も影響して、大嫌いな故郷ザルツブルクに仕方なく帰郷します。しかし、さまざまな不満、大司教に対するもの、音楽環境に対するものなど、は日増しに積もる一方でした。

 順風満帆とは言えないものの、この最後のザルツブルクでの宮仕え生活では、マンハイム・パリで吸収した音楽を上手く取り入れた名曲が多いという特徴があります。「ポストホルン・セレナーデ」も例外ではありません

いかがでしょう。
若い頃のモーツァルトの作品は管楽器の編成が小さく、今回の2曲はフルートとクラリネットを欠くため、大人数のオーケストラでは選曲されないカップリングなのです。
そんな曲を生で聴くことのできる貴重な機会かもしれませんね。

※記事初出時、タイトルの曲名に誤りがございました。正しくは「交響曲 ニ長調 K.v.320」となります。お詫びして訂正させていただきます。

第2ステージ 武満 徹/混声合唱のための「うた」より

無伴奏混声合唱のステージは、楽曲解説の最後からの抜粋です。
そこに武満の音楽観が凝縮されているように思います。

 「私は、音楽を通して人間の生き方というものを考える立場にある芸術家の一人ですから、ただ慰めや娯楽のためだけに音楽をしているのではなく、常に人間存在について考えています。」という言葉通り、武満はどんな仕事にも真剣勝負で臨みました。緻密にアレンジされた合唱から聴こえる独特のハーモニーは「武満トーン」とも呼ばれ、郷愁を想起させる虹色がかった美しい響きです。譜面には演奏上の細かい指示が数多く記され、言葉を大切にした武満は、言葉への配慮も怠りませんでした。私達演奏者にとって、武満が音や言葉に込めた思いを譜面からいかに読み取って表現するかが鍵となります。そんなことも心に留めて、歌に耳を澄ませてください。