Musikfreunde"燦"

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好きこそ物の上手なれ

Mpusikfreunde 燦 団員の皆さまへ

新年明けましておめでとうございます。

いよいよ、本番が近づいてまいりましたね。元日には、浅野団長さんが素晴らしいメッセージを送ってくださいましたので、小生は立場を変えて書いてみようと思います。

皆さまに於かれましては、今回の演奏曲について、数多くの試みをされ、大いなる目標をもって準備されていることと思います。

Musikfreunde 燦 の設立目的は、「同じ釜の飯を食べたもの同志」が集って、一つの目標に向かって進んで行こう。 とのことであったかと思います。合唱団もオーケストラも、志を同じくして、目標に向かって突き進んでますか? 残された時間を有意義に使って、良き本番を迎えたいと思っています。

小生が、折に触れて引用する言葉があることを、思い出してみてください。
Musikfreunde 燦 を構成する、それぞれの団体の練習で、行き詰まっているのかな 。。。。と、感じられた時に発する言葉です。

『好きこそ物の上手なれ』

吉田兼好法師のことば

これは、小生の座右の銘の一つであります。

『生まれついてのプロなんて、いやしない!』 

これも、アマチュアリズムを履き違えている人を叱咤激励する言葉として、度々 口にするかと思います。

今回の一連の練習に於いて、幾たびか、自問自答させられております。

少し、詳しくお話しいたしましょう。

先ずは、『好きこそ物の上手なれ』から。
文意は、お読みになったままでよろしいのですが、 多分、この文の根幹には、論語の一節が反映しております。

論語~; 子曰く、『知之者不如好之者、好之者不如楽之者』
(子曰く、これを知る者はこれを好む者に如かず。これを好む者はこれを楽しむ者に如かず)
如かず は、及ばないとでも訳しましょうか。

この文章は、とても奥が深いと思います。薀蓄を振り回しても、実が伴わなければなりません。譬へ実が伴ったとしても、楽しめなければいけませんね!

さて、楽しむためにはどうすれば良いのか???
ここからは、皆様がお一人お一人、自問自答されれば良いのです。答えは自ずから出ておりますが、これを実践するのは結構難しい。全ては、納得のいく練習の積み重ねが解決してくれます。自分の限界に挑戦するのです。

次の、『生まれついてのプロなんて、いやしない!』 
これは、若干の補足が必要かもしれませんね。
皆、最初はアマチュアからスタートします。そのまま止まれば、生涯アマチュア。でも、最高級のアマチュアは、その道のプロにも肩を並べるでしょう。しかし、ほとんどのアマチュアは、甘ったれて妥協するから途中で止まってしまう。練習ができない理由を探して言い訳するなんて、以ての外。
一方、プロにもいろんなレベルがあります。本当に楽しむためには、過酷な修練が必要で、それを通らない限り、楽しみなんて有り得ない。
ほんの一握りの天才を呼ばれる人たちは、人一倍の努力をして、考えられないほどの高みへと昇っていきます。
しかし、ほとんどのプロは楽しめずに、良く勉強している事に満足してしまい、生活の糧を得ることがプロであると勘違いしている。

。。。と、ここまで書いて、テレビのドキュメントを思い出した。
私が見たのは歌舞伎の世界。
所謂、〝梨園の御曹司〝 は、生まれついてのプロであることを強いられておりますな。一般人ならば、自分の親と喧嘩するとき、「親は選べねえ。」とか、啖呵を切りますが、御曹司の場合は、そんな言い訳は一切 通用しない問答無用の世界。成田屋海老蔵様が、息子の勸玄(かんげん)について、このようにコメントしておりましたよ。
「息子に、出来ない は 無い。」
泣こうが喚こうが、遣らせるのだそうです。生まれついてのプロに育てるにはそうするしか無いのですね。

勿論、これは 極々特殊な世界のお話。

さて、
素晴らしいモーツァルトの2曲を演奏するにあたって。 皆さんはどのように準備しますか?
当日のセッションが、今から楽しみです。

小生は、修行中の身では有りますが、鍛錬した成果を問う事こそが、当日の演奏であると思っています。
皆さんは、アマチュアです。でも、どのようなアマチュアですか?
甘ったれて妥協することは、断固許しませんよ。

2019/1/2 夜

川合良一